「商売十訓」
一、 損得より先きに善悪を考えよう
- 目先の売り上げや儲けを優先的に考えるのではなく、人として正しい行為なのかを判断の基本とすることが大切であるということ。詩人である相田みつをも「損か得か、人間の物差し。嘘かまことか、神様の物差し」と言っている。金儲けがどんなに上手くても商売人として幸せな人生が歩めるということではない。
- 単なる人の物まねではなく創造者の目指した目的を理解し、尊敬の念をもって真似ることが大切であるということ。弘法大師も「先人の跡を求めず、求めたるところを求めよ」という言葉を残している。
- 商品の価格もサービスも全てにおいてお客さんに喜んでいただくということを最優先に考えようということ。
- 商品の価格や儲けを決めるにあたり、お客さんを大切にするという純粋な愛の尺度を基本とし、儲けすぎないよう、損しないようバランスを保ち、「足るを知る」という謙虚さと感謝の気持ちを忘れてはならないということ。
- 商売をしていて赤字を出すようでは納税の義務が果たせていないということになる。そして赤字では商売が継続できなくなり、結果的にお客さんに迷惑を掛けるということになるということ。
- 自分の店だけを考えるのではなく業界の発展という広い視野を持って、様々な人との交流を進める中でより良い商品やサービスを創り出すことが大切ということ。
- 愛と真実をもって商いをしているならば、迷いなく自分自身の店の発展は社会貢献に直接つながっている、という自信を持って商いを行ことが大切であるということ。
- 誰に対しても差別をすることなく常に感謝の気持ちを大切にし、孔子が人生で一番大切なこととして示した「恕」という思いやりの心でお客さんに接することが大切ということ。
- 日々の経営に於いてより良い方法を導き出すことができれば、自ずとお客さんの生活様式にも変化をもたらすことになり、そこに新しい文化が育まれる。商売人は文化の創造者にもなれる尊い仕事であるということ。
- 自分の生き様が商人である前に人として正しく生きているという自負があるなら、その生き方に誇りを持つべきであるということ。