ジェルトロン開発者・田中啓介のブログです。

2016年2月19日金曜日

堀場雅夫氏からのアドバイス

堀場製作所の最高顧問である堀場雅夫氏が2015年7月14日に亡くなられた。90歳であった。 
私は堀場氏に私の事業についての評価とアドバイスを頂きたくて、是非会っていただきたいという内容の手紙を送らせて頂いたのが3月26日であった。それから1ヶ月程経過した時、堀場氏から「会いましょう」というご連絡を頂いた。日時は5月11日に決まった。 
しかし5月8日に連絡があり本社で会う予定を変更して欲しいとのことであった。現在京都市内の病院に入院しており、11日までに退院できないので病室で会うということでどうだろうか?とのお申し出であった。私はお見舞いを兼ねる気持ちもあり、「病室にまでお呼びいただけることに感謝申し上げます」とお伝えし、11日に伺った。 
20分間という限られた時間の中で弊社及び私の生き方、弊社商品のジェルトロンについて7分でお伝えしお考えを聞かせていただいた。現代日本のベンチャーの祖といわれるだけあって、製品の機能特性を瞬時にご理解頂き、「これは素晴らしい私も使いたいので直ぐに持ってきてくれ」とご注文を頂くことができた。決して売り込みに行ったわけではないが、使ってみたいと思っていただけたことは非常に嬉しかった。 
 帰り際に「日本を代表する大手ベッドメーカーが弊社商品ジェルトロンのカタログ等から商品写真や説明文を盗み取ってPOPを作成し、ジェルトロンとは異なる機能の類似品を販売したことについて報告し、この詐欺的行為によって騙されて購入されたお客様方(約2万人と推察している)がジェルトロンの真の機能ではない類似品を使用され、良くないという評価をされてしまうと、堀場様のように介護を必要とされるお客様にジェルトロンの真の機能をお届けするという役目が果たせなくなることが残念でならない。私が開発したこのジェルトロンを正しく理解していただけるよう今後も真実をお伝えするという行動を続けていきたい。」とお話した。堀場氏から即答で「徹底的にとことんやってやれ!私ならとことんやってやる!」と力強いお言葉を頂くことができた。90歳という高齢でありながらも自分の信念に基づいて生きることの大切さを力強く語られたときの表情は活き活きとしていた。 
今年の春の展示会でも「この商品はあの有名なベッドメーカーのコピー品じゃないの?」との質問を受けた。弊社が真似をされた旨をお伝えし、真実の機能についてご説明させていただくと納得していただけるのだが、質問をして頂けないお客様には真実をお伝えすることが叶わない。しかし私はこれからも徹底的にとことん命を掛けて、お客様のお役に立つことができるよう努力を続けていく覚悟である。 
 堀場氏の貴重なお時間の中で、私に対し命を掛けたアドバイスを頂けたことは、これからの私の生き方に大きな力を頂くことになったと確信している。 
堀場氏に対し心から感謝と哀悼の意をもってお見送りをさせて頂きたい。
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