ジェルトロン開発者・田中啓介のブログです。

2019年11月29日金曜日

世界の最新医療と舞鶴

先日、東京ビッグサイトで「がん医療にイノベーションを起こせ!立ち止まるな日本‼」をテーマに『第5回がん撲滅サミット』が開催され、弊社の株主であった原丈人氏が大会会長であったことからお声掛けを頂き、ささやかながらスポンサーとして参加させて頂いた。安倍総理をはじめ閣僚や小池都知事そして世界医師会の横倉会長からも激励のメッセージが伝えられた。

このサミットの内容は驚きと感動の医療の宝箱のようなものと表現できる。まず驚いたのは、日本のがん治療の最前線にいる13名のゴッドハンド(神のような医療の腕を持つ医師)によって脳・胃・肝臓・膵臓・腎臓・大腸・卵巣・前立腺などのそれぞれの得意分野において、アメリカをはじめとする世界の最新のがん治療の現状が示され、がんはもう克服することのできる病であることが実感できたことである。特にがん細胞のみで増えることができるウイルスを感染させ、そのウイルスでがん細胞のみを破壊するウイルス療法は画期的であり、すべての固形がんの根絶治療につながると期待されているのである。しかしながら現時点での日本の医療保険制度の下ではこれら最新の療法を実施することができないという残念な実情も報告されたが、保険外の自由診療を選択すると高額になるけれども、かなりな確率で治療が期待できるということである。これらの最新療法を保険診療の下で利用できるようになれば、日本人にとってがんは怖い病気ではなくなる日が来るのである。

ひとりの医師が「大将は患者さんであり、我々医者は参謀です。だから我々医者はどんな場合でも大将である患者さんの意思を尊重し、最善の治療方法が選択できるよう世界中の様々な方法を提案しそれを実践するのです」と発言され、この発言に対しすべての医師が大きく頷かれたのを見た時、これからの日本の医療は患者に寄り添い、力強く進化していくであろうことを強く実感した。

さらに13名すべての医師から、「現在の日本においてがんを撲滅するには医療制度改革が急務である」との提言がなされ、アメリカでも山中伸弥教授を招請し同じサミットを開催された実績と内閣府本府参与である原氏に対して制度改革を進めるための力強い活躍に大きな期待が寄せられた。閣僚は内閣改造の度に変わるが、原氏は長期的に総理に様々な提言ができるポジションにあることも13名の医師が期待をされる大きな理由であると解釈した。

さらにこのサミットの素晴らしいところは参加が無料であり、プログラムのメインイベントとして会場の参加者からステージに並んだ13名の医師たちに直接セカンドオピニオンを求めることができるということである。例えば参加者から「現在、肝臓がんで〇〇という状態であり△△の治療を受けているが今後の最新治療方法は何が適切かを教えて欲しい」という質問に対して、ナビゲーターが瞬時に質問者の現状を理解し、その回答者として最適な肝臓・重粒子線・ウイルス療法の専門医を選定し、それぞれが即答するという世界的に見てもこのような取り組みは例のない画期的な内容である。このナビゲーターこそがこのサミットの提唱者であり代表顧問である中見利男氏である。中見氏は日本を代表するジャーナリストであり作家でもある。中見氏が弊社にお越し頂いた折にお聞きしたのであるが、「私は舞鶴というこの地にこころ惹かれ何度も訪れ、この舞鶴を私のこころの故郷であると感じているのです」と表現頂いた。中見氏の著書に「天海の暗号 絶体絶命作戦」というのがあり、そこには細川幽斎が田辺城に隠し持っていた十種神宝にまつわる物語が記されている。私は原氏のご紹介で頂いた中見氏とのご縁には必然的なものを感じており、この必然的なご縁をより大きく育てることにより、10月29日に厚労省により発表された「再編統合を議論すべき424病院」に舞鶴赤十字病院が入ってしまったことを含め、劣悪な現在の舞鶴の医療体制の改革に一市民として一石を投じることを願って努力を重ねたいと考えている。

舞鶴市の大将は永遠に市民であり、参謀として市長や行政が存在するということを先月のコラムに引き続き、この13名の名医のメッセージをお借りしてお伝えさせて頂きたい。



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