ジェルトロン開発者・田中啓介のブログです。

2019年5月24日金曜日

マナーとエチケット

仕事の関係で海外に行く機会が多くなり、どの国でも飛行機を降りた瞬間にそれぞれの国の特有な匂いがあると感じている。その匂いは食文化を中心に生活に関わるものではないかと思う。さらに国特有の風習や文化があり、私は今週マレーシアでラマダンという断食の期間にもかかわらず盛大な夕食パーティに参加させて頂いた。水も飲んではいけない断食の時間は日の出から日の入りまでであり、日没後の食事は許されていることを知った。それだけに夕食は豪華な場合が多いとのことであった。私はイスラム教の信者にとってこのラマダンによって体のデトックス(解毒)効果を促し健康管理に大きな役割を果たしているようにも感じた。宗教というものはそれぞれの地域の気候・環境・風土において最適な環境適応の肉体的精神的な生活術と表現することもできると思う。

また国ごとにある特有な風習として、タイに行くと挨拶時はもちろん様々な場面で両手を合わせて対応して頂ける。この自然でささやかな仕草にタイという国に対して訪れた人達は親近感と居心地の良さを実感することになる。

さらに国ごとに特有なマナーやエチケットというものが存在することも実感させられることがある。良いマナーばかりではないこともあり、二週間前に訪れた中国は広州でのこと、私が地下鉄に乗ろうとした時、扉の前に多くの人が立ちふさがり降りることができない。押しのけて降りるしかなく、そうすると私を睨みつけてくる。降りなければ乗れないことは理解できているはずだがマナーが全く無いと言わざるを得ない。さらにホテルでの朝食の時のこと、2歳くらいの子供が窓の外を見たいとぐずった、すると母親は食事しているテーブルの上に靴を履いたままの子供を立たせて外を見せながらスプーンで料理を口に運んでいた。さすがに隣の席だけに看過できず注意しようとした時、ホテルの担当者が注意をしたがマナーを論じる以前の問題であると思う。

私が中国を訪れはじめた1985年頃はとてもシャイで優しさに溢れた人ばかりだったと記憶しているだけに今の中国は残念でならない。

しかし中国にも素晴らしいレストランがある。朝食時に嫌な思いをした日の夕食に火鍋レストランチェーン「ハイディーラオ(海底撈)」に行った。テーブルまでの案内からメガネ拭き紙のサービス、カバンや上着を布袋で覆ってくれ、注文時も親切な説明をしてくれ、食事中何度も必要なものはないかと尋ねてくれる。食事後には日本から来てくれたということでお土産も準備してくれていた。食事を提供する側としてのマナーとエチケットのバランスが整いとても気持ちよく食事ができた。

一日のうちに最悪の中国と最高の中国を体験した感がある。このレストランは世界に店舗展開しており、創業者の施永宏氏の社員教育の素晴らしさが世界的にも注目を集めており、昨年香港証券取引所でIPOを果たし、47歳の共同創業者の張勇夫妻の合計資産額は約8900億円に達する世界企業である。

マナーとは「社会的に望ましい行動や作法」という意味があり「電車内のマナー」「タバコのマナー」「食事のマナー」などがあり、公共の場など多くの人たちが集う時の立ち居振る舞いのあり方において使われ、一方エチケットには「特定の相手を不快にさせない気配り」といった意味があり「エチケットブラシ」「エチケット袋」「エチケットスプレー」のように使われる。

エチケットの語源を調べてみるとフランスの宮廷での行動を示した通用札とのことなので、それぞれの宮廷に独自のエチケットが存在する。ゴルフでも各ゴルフ場に独自のエチケットを策定することがあることからもエチケット委員会が存在する。エチケット委員会があってもマナー委員会がないのは、マナーのない人はゴルフをする資格がないということだと思う。

マナーとエチケットをバランスよく実行することで自分自身はもちろん周りの人も幸せな気分になることができると思うのである。
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