ジェルトロン開発者・田中啓介のブログです。

2016年8月9日火曜日

「心地よい気遣い」

リオ オリンピックが始まり、ゴルフ競技の池田勇太選手の福田キャディからキャディバッグの肩ベルト(写真参照)の中に弊社開発のジェルトロンを入れて欲しいとの依頼を受け作製しました。プチ自慢になりますが現在、日本の男女プロゴルファの約70%のキャディにジェルトロンを使用頂いています。
さてオリンピックのように海外での試合では時差ボケによる不眠が問題となることが多いですが、日本睡眠学会で発表された夫が不眠で悩む夫婦のお話です。
  夫婦で医師のもとを訪ね、適切な薬を処方してもらい、夫は毎日0時の就寝前に薬を飲んでいました。ある日、町内運動会に参加し疲れていた夫は9時頃からぐっすり眠っていたそうです。ところが0時頃になって、奥様が「あなた。薬を飲む時間ですよ」と夫を起こしました。夫はそれから朝まで眠れなくなってしまったそうです(笑)。
 医師は「毎日0時くらいに、ベッドに入っているのなら0時少し前に、この薬を飲みなさい」と手渡していたので、奥様はこの言葉を忠実に守ったのですが、これは、夫をぐっすりと眠らせるという本来の目的を見誤り、薬を飲ませるという行為を重要視してしまった悲劇です。「眠れているならあえて薬を飲む必要はない」とその医師は話していました。
 もう一例ご紹介しましょう。かなり以前、航空会社のANAが国際線に就航したとき、外国の乗客から「JALよりも、国際的なセンスを持ったサービスができている」と評判になりました。なぜなら、JALに乗ると気持ちよく眠っていても食事の時間になると必ず起こされて、「食事の時間ですよ!お客様、起きて食べてください」というサービスを無理矢理受けさせられたのです。しかしANAは、「お食事をお持ちしましたがお休み中でした。お目覚めになられたら、客室乗務員にお声かけください。すぐにお持ちします」というカードを置いていたのです。当然ですが現在はこのスタイルが世界の標準になっています。
 それぞれの行為の目的とは何なのか、何のために行う行為なのかといったことをしっかりと認識することが人に喜んでいただく心地よい気遣いの原点だと思うのです。