株式会社パシフィックウエーブ 代表取締役・田中啓介のブログです。

2016年12月12日月曜日

「体内時計と健康睡眠」

 第2次世界大戦中にナチスドイツで閉ざされた空間に人間を隔離して、24日間生活させるという人体実験を行っていました。その部屋には食料・ベッド・トイレ等が備え付けられ普通に生活するにはなに不自由ない環境となっていました。ただし、場所が地下なので窓がなく、時計もないので、昼か夜かは判らないのです。「朝になったと思ったら電気をつけて生活し、夜になったと思ったら電気を消して眠りなさい。自分の思う時間で24日間生活して、24日間が過ぎたと思ったら、ドアをノックしなさい。ドアを開けますから」と被験者に命じたのです。すると面白い結果が出ました。何人実験しても、25日間でドアをノックするのです。

 これはフリーランと呼ばれ、時計や太陽を見ずに自分の体内時計で行動し、睡眠をとるとどのような生活リズムが生じるかを観察するという実験です。睡眠学会で発表された最近の実験でも一日の平均時間が25時間±10分という結果が出たということです。

 これにより、人間の体内時計は約25時間で設定されているということが判明しましたが、これはどうゆうことなのでしょうか。現在の地球の自転は24時間ですからその差は約1時間。要するに毎朝、海外から飛行機で帰ってきて、1時間の時差ボケを解消しなければならないようなものです。

 そのために、私たち人間の身体からは、さまざまなホルモンが分泌されています。ストレス対応ホルモンの一種にコルチコステロイドというものがあります。このホルモンは朝5~6時ごろに分泌のピークに達し、起床後太陽の光を浴びて身体を動かすことによって全身に循環し、25時間の体内リズムを地球の24時間にリセットする効果があると言われています。特に子供の場合ゲームやスマホによって夜更かしをして眠る時間が遅くなるとホルモンの分泌のタイミングも遅くなり、しっかりと分泌されないまま起床時間となってしまのです。そうなるとすっきりとした目覚めにはならず、学校を遅刻することが多くなり次第に登校できなくなるのです。早寝早起きと言いますが早く起きすぎてもホルモンの分泌のタイミングを外すことになります。一昨年、長野県教育委員会は中学の部活の朝練を禁止することを決めました。しっかりとした正しいリズムの睡眠を保つことが健康の基本であることを今一度大切に考えるときにきていると思うのです。

 では一体、25時間という人間の体内時計はいつ決められたのか、ということに私は疑問を持ち、ひとつの仮説を考えました。

 いまの人間という存在は、猿人類のようなものから進化して、すでに600万年くらい経過していると言われています。その600万年くらい前、地球の自転がいまよりも遅く、25時間ぐらいかかっていたとすればどうでしょうか。そして、体内の記憶物質のところに、25時間の生活リズムがインプットされたと考えれば辻褄は合います。

 地球の自転速度は、現在でも常に一定ではないと言われています。

 そのため、毎年年末には、約1秒ほど時間調整をする「うるう秒」という制度があるくらいです。また、科学者によると、地球の自転速度は全体的に遅くなる傾向にあるといわれています。

 私たち人間が勝手に「絶対的に固定されたもの」として何かを信じたりするのは危険だということなのです。