株式会社パシフィックウエーブ 代表取締役・田中啓介のブログです。

2017年5月9日火曜日

「信頼」と「信用」を正しく考える

先月、4月20日~22日に大阪で開催されたバリアフリー展に出展した。床ずれに関するテーマで私が講師を務めた22日の講演会では立ち見が出るほど多くの皆様にお越しいただくことができ、講演後聴講者のお一人から「娘を助けてください」というご依頼をいただいた。お話を伺うと20代のお嬢様が生まれながらの重度の側弯症で頭の位置が右側にあるという状態であったため、小学生の時に大手術を行い、背骨の矯正をしたのだが左座骨の突出は矯正しきれなかったため、最近その部分に酷い床ずれが発生し、お尻に穴が開いた状態であり、今までいろんな介護関連メーカー等に専用のクッションを作ってもらったが改善できなくて困っているということであった。早速弊社でお嬢様の専用クッションを作製するべく、お尻の採寸を行い素材の選定等をする間、ジェルトロンマットレスの上でお休みいただいた。15分くらい経過したとき、お母様がお嬢様の寝息に気づかれ、お嬢様を起こし「このマットレスは凄い!」とおっしゃった。お嬢様からは「いつも上向きにしか寝たことがなかったのに、横向きに寝ても肩や腰が痛くならなかった、生まれて初めて横向き寝で『眠る』ことができた!」とお喜びいただいた。健常者にとって上向きから横向きに寝返る行為は睡眠中に無意識にできるものであるが、このお嬢さんにとっての寝返りはジェルトロン以外では苦痛を伴う大変な行為ということなのである。

お母様から「助けてほしい」と言っていただけたことは、正にお客様から頼られるということであり、これほど嬉しく責任の重さを感じることはない。

もう一つのエピソードとして、数年前にベストセラーとなった大野更紗さんの書かれた「困ってる人」という本がある。そこには筋肉が骨化するという難病との闘いをユーモアを交えて綴られており、「車椅子での外出時には無くてはならないクッション、その名はジェルトロン!」と記されている。知人の方からジェルトロンが登場する本があると教えていただき、購入し拝読した次第であるが、私の知らない方々にジェルトロンの機能を頼りにしていただけるということは開発者としてこんな嬉しいことはない。

「この商品でダメなら諦める」と言って頂けるのを信頼と表現するなら、「この商品でダメなら他を探す」と言われる状況では信用状態としか言えないと思うのである。究極の表現をするなら、命を託せるくらいの関係を信頼といい、ある程度信じて任せる関係を信用というのだと思う。信頼とは信頼した人が期待した結果を出せなくても自己責任として後悔しないという覚悟に基づく関係であり、信用とは信用した人が期待した結果を出せなかった時、後悔の念と反省が伴う関係であり、「いざという時に頼れない関係」ということになると思う。だから日本には「信用金庫」は存在しても「信頼金庫」が存在しないことは当然のことであると思う。弊社はいざという時にこそ頼って頂ける存在でありたいと願っている。

今回の内容は信用金庫を批判する意図はないので誤解の無きようお願いする。