株式会社パシフィックウエーブ 代表取締役・田中啓介のブログです。

2016年4月1日金曜日

癒しの生活 7

私は家具の小売業をやめ、今の仕事をするようになってから高齢者や障害者といった介護を必要とされる方々、同時に介護というお仕事に携わる方々とも多くのご縁を頂く中で、素晴らしい方々とお出会いすることがあります。その方々に共通しているのは、お金といった尺度に振り回されず、見返りを前提としない、慈愛と表現するにふさわしい大きくて優しい心の持ち主だということです。
かなり以前になりますが、ある方から頂いたお話です。
身体に障害があり、車椅子での生活をしているミヨちゃんという小学生がいました。
ミヨちゃんはいつもお母さんに学校に連れて来てもらっていました。ですから二人はいつも一緒でした。そんなミヨちゃんが学校の夏の野外学習でキャンプに行ったときのことです。ちょうどその日は77日で七夕の日でしたので全員が願い事を短冊に書いて笹に取り付けることになったのです。
しかし、その夜になってもミヨちゃんの短冊だけがありませんでした。そこでお母さんはミヨちゃんに「お母さんも書くからミヨちゃんも明日の朝食までに願い事を書いた短冊を笹に取り付けてね」と約束しました。お母さん自身も願い事をひとつだけ書くとなるととても悩んだそうです。そして素直な心で今の自分が感じていることを短冊に書きました。
翌朝、お母さんは笹に短冊を取り付けに行きました。その時、もうすでにミヨちゃんの短冊は付いていました。お母さんはホッとしてミヨちゃんの短冊を読んだのです。するとお母さんの目から涙があふれて止まりませんでした。
そこには「お母さんより一日、早く死なせて下さい ミヨ」と書かれていたのです。そしてお母さんも泣きながら自分の短冊を笹に取り付けました。そこには「ミヨより一日、長生きさせて下さい」と書かれてあったとのことでした。
私はこのお二人の、お互いを思いやる純粋で慈愛に満ちた優しさこそ、地球とそこに生きるすべての生命体を包む大きな愛というエネルギーに他ならないと思うのです。
しかしながら、このような願いを短冊に書かなければならないという日本の福祉の現状を変えなければならないと思うのです。

そのためにも、このミヨちゃんとお母さんの慈愛を親子という小さな単位に留めるのではなく、周りの人々にも伝染させ一人ひとりを繋ぎながら、障害のあるなしにかかわらず心豊かに安心して暮らせる街づくりをめざしたいと考えています。