ジェルトロン開発者・田中啓介のブログです。

2018年11月16日金曜日

「希望に満ちた舞鶴」からの質問と回答

前回お伝えした、10月16日の城南中学校での講演会の後で生徒諸君から三つの質問を頂いたので、ここで回答させて頂きたいと思います。

質問①「人のために頑張る、というのは例えばどんなことがありますか?」(1年生)

身近な例では、お父さんやお母さんのお手伝いをすることがあると思います。純粋にお父さんやお母さんを喜ばそうと考えてお手伝いをすると、お父さんやお母さんの笑顔と共に「手伝ってくれてありがとう」という感謝の言葉をもらうことが出来ます。すると心がとてもあたたかく嬉しくなります。でもお駄賃をもらうためのお手伝いだと、お駄賃の額によって多ければ嬉しいし、少なければ残念に思ったり腹が立ったりします。お手伝いの内容によって、自分自身の心の中で勝手にお駄賃の額を決めてしまい、「100円くれるなら手伝うよ!」というふうに交渉してしまうようになります。さらには金額に応じた手伝い方になってしまいます。これだと、金儲けを目的にして仕事をしていることと同じになり、お客さんの喜びを自分の喜びとして感じることが出来なくなってしまうのです。お金を儲けることは大切なことですが、これは人生において目標でしかなく目的にはなり得ません。社会に於いてはどんなものにも価格があるわけですが、お客さんが納得して頂ける価格を決めることはとても難しいことです。お金という物差しを取り外して、心から人を喜ばせて自分自身が喜べることができた時、とても幸せな気持ちになります。だからどんなことでも人のために頑張ったつもりでも本当は自分自身が幸せになるために努力しているということになると思うのです。でももし人を喜ばせようとして努力しているにもかかわらず、自分自身の中で苦しみばかりを感じて、今だけじゃなく将来においても何一つ喜びを感じることが出来ないと思う行いなら、ひとまずそれを止めてみて冷静に広い視野で考え直すことも必要だと思います。

質問②「田中さんにとって睡眠とはどのようなもので、なぜここまで人々の役に立つものを開発できたのですか?」(2年生)

私にとってというより、生き物にとって睡眠とは生命維持の基本となるもので、呼吸の次に食事や排せつと共にとても大切なものだと思います。睡眠を効率よくとることが出来れば自然治癒力が高まり、健康な状態を維持しやすくなります。そこで快適な睡眠を得ていただくことが出来るよう睡眠環境としてもっとも重要な敷き寝具の開発をしようと決め、それも今まで日本になかった素晴らしいものを作って人々を驚かせようと考えました。そして約25年前に日本人に適したウォーターベッドを開発し、日本の有名なウォーターベッドメーカーの供給元として日本中でブームをつくったのです。でもウォーターベッドにはいくつかの弱点がありましたから、これをすべて解決することが出きればもっと多くの人々が驚き喜んでくれて「あなたのお陰でこんなに健康になれました」と感謝の声を頂くことができると考え、何とかジェルトロンという商品を開発することができました。そして現在も人の役に立てたという喜びを実感するのを楽しみに更なる素晴らしい商品の開発を続けています。

質問③「田中さんが会社をつくるにあたって、一番最初に目的にしたことや、信用・信頼した人はいますか?」(2年生)

私が自分の会社をつくるにあたってまず会社の「理念」を考えました。それを社是として「パシフィックウエーブは睡眠環境を通じ人類の魂・精神・肉体の健康向上に奉仕する」と決めました。社是を実践することによって「人々に喜んでいただき、その姿を見て自分たちも喜ぶ」ということを会社の目指すべき目的として毎日の仕事をさせて頂いています。その後ウォーターベッドからジェルトロンに進化する上で人類だけでなく地球上の生命体(陸生動物)すべてに活用できる睡眠環境の開発を目指すべきであると考え、ジェルトロンのロゴマークにはGEL PRODUCTS FOR TERRESTRIALという言葉が入っています。そして現在ジェルトロン商品は動物用としてもご利用いただいております。TERRESTRIALというと聞きなれない単語ですがE.T(EXTRA‐TERRESTRIAL)という映画をご存知の方が多いと思いますが、地球外生命体ということです。最後に信用・信頼した人についてですが、私たちは様々な人とのご縁によって生きているわけですから、私は先ずは人に対して性善説で考えるようにし、基本的に人を信用するところからご縁が始まると考えています。ようするに読んで字の如く「信じて用いる」関係の人は私にはたくさん存在します。しかし、信頼という「信じて頼る」関係の人は人生の中で部分的に成り立つものだと考えます。例えばお医者さんに手術をしてもらうといった場合は麻酔の効いた自分でどうすることもできない状態ですから、お医者さんに頼って自分の命を任せる関係です。もう一つの事例として、信用関係というのは「直立の私が後ろに倒れていくのでケガをしないようにしっかりと支えてね」とお願いして倒れていったとき、自分が考えているタイミングで支えてくれないと感じた瞬間に手と利き足を後ろに出してケガをしないように自分で自分を守る関係であると考えます。しかし信頼関係というのは支え役の相手にすべて任している状態ですから、支え役が失敗して自分が大ケガをしても支え役の人を一切責めず、自分が頼ったという事実を受け止めることのできる関係です。ですから仕事において、ある業務に関しては信頼して任せるといった部分的な信頼関係はありますが全面的な信頼は、してもされても困ることになると考えます。世の中に信用金庫があっても信頼金庫が無いということでもよくわかると思いますが、特にお金に関しては常にいざという時は自己責任で対処しなければならない信用関係が基本ということです。しかしながら「睡眠環境に関してはパシフィックウエーブに頼ろう、もしそれでダメなら諦めよう」と思って頂けるくらいにお客様から信頼を頂ける製品づくりとサービスを進めていきたいと考えています。